コミュニケーションロボット市場で「スキル」プラットフォームを押さえるのはだれか?
「アプリ」でなく「スキル」
このAmazon Alexaの記事を読んで、スマホのように「アプリ」と呼ばず、
「スキル」と呼ぶのが、ロボット的には確かにおさまりがいい。
早速、わたくしも「スキル」と呼ぶようにしたい。
Amazon Alexaのスキルが1000を突破(1月にはわずか135だったのに)…スキルストアの整備が早急に必要 | TechCrunch Japan
スマートフォンの場合では、PCなどからの延長で、「アプリケーション」「アプリ」と呼ぶのが確かにいい感じだ。
ただ、ロボットでは少し状況が違う。
ロボットには体=ハードウェアがあり、ハードとアプリがあいまって、出来ることが増える。
まさに、「スキル」。
移動できるアプリケーションをインストールしても、移動できるハードウェアがないと、「スキル」が増えない。
ダンスができるハードに、新しいダンスを覚えさせれば、どんどんダンス「スキル」が向上するということだ。
「アプリ」ストアの立ち上がったばかり
一番なじみがあるアプリストアとして、iPhoneのアプリを例に出してみよう。
昨年時点で、150万アプリがストアに登録されている。
もはや天文学的数字だ。
想像できる範囲のアプリはほぼあると言っても過言でない。
■日本で一般向けに販売されているコミュニケーションロボットのストア
ロビ | パルロ | Pepper | ロボホン | |
---|---|---|---|---|
ネット接続 | × | ○WIFI | ○WIFI | ○4GLTE/WIFI |
ストア | micrSDによる追加アプリ販売 | ○ | ○ | ○未公開 |
アプリ数 | 8 | 4 | 128 | - |
基本システムでのアプリ数は別 | 基本システムでのアプリ数は別 | 基本システムでのアプリ数は別 | - |
日本で代表されるコミュニケーションロボットのストアとアプリ数は上記の状況だ。
一番多いPepperでさえ、100を超えたばかり。
ただ、Pepperのandroidへの対応を発表しており、100万本を超えるandroidアプリが、Pepperにも対応していくことになる。
他のロボットプラットフォームとは思想を異なる戦略と言ってもいいのだろう。
なぜ、スマホのアプリはここまで広がったのか?
いろんな方がいろんな考察をされていると思いますが、
いままでのガラケー(=フューチャーフォン)と比べて、
- アプリケーションが機種が変わっても継続で使える
- 各種データが機種が変わっても継続で使える
- プラットフォームがバージョンアップで進化する
- 世界で同じプラットフォームが使われているので進化のスピードと規模が違う
ということがあるのではないかと考えられます。
つまりは、継続と進化がスマホにはあったから。
ロボットに必要は「スキル」プラットフォームは?
ロボットのアプリは、スマホよりも機種依存は当然大きい。
なぜなら、ロボットには体があり、その体はロボットごとでバラバラ。
さらには、同じロボットに、同じダンスを踊らせても、上手くいったり、時にはこけたりするくらい。
ハードを超えて、同じことができる「スキル」を配布するのは、現状は難しい。
アプリ作成者側で、ハードの依存を超えれるようにカスタマイズが必要になってくるだろう。
また、スマホに比べて、普及台数が少ないので、アプリビジネス、スキルビジネスの参入メリットがまだまだ少ない。
ポイントは、「機種依存」と「普及台数」だろう。
コミュニケーションロボット市場で「スキル」プラットフォームを押さえるのはだれか?
この領域は、Google、Appleなどの世界の巨大IT企業も巻き込んだ戦いになることは確実。
まずは、早くPCでいうところの「エクセル」「ワード」を見つけないといけない。
PCは、この2つのアプリケーションが誕生して、一気に普及が進んだ。
現状、コミュニケーションロボットのスキルといえば「かわいい」「面白い」といったところではないだろうか。